香椎浜の家


















ここに入った瞬間、まず感じてほしいのは落ち着きです。華美な装飾は使わず、日々の暮らしの中で自然に心がほっとする瞬間を大切にしました。
室内は深みのある色調と上質な素材でまとめ、間接照明が柔らかく光を落とすことで、家具やディテールと調和した静かなリズムをつくっています。光と影の重なりや素材の手触り、家具の配置までも意識して設計しているので、日常の何気ない瞬間も心地よく感じられます。
そして、リビングからつながる開放的なテラス。ここでは朝にコーヒーを飲んだり、家族と読書や会話を楽しんだり、暮らしの豊かさを存分に味わえます。室内とテラスが緩やかにつながることで、空間に広がりと余白を生み、日常がより豊かに感じられるのです。
私たちが意識したのは、デザインの華やかさではなく、暮らしそのものの上質さです。建築は、住む人の時間や感情に寄り添って初めて完成するという考え方を、この家全体で表現しています。
朝の光の中で目を細めるひととき、テラスで家族と過ごす穏やかな時間、間接照明に包まれながら家具に囲まれる夜。この家は、日常の瞬間を上質に彩る、心がほどける居場所です。




