伏見の家
















京都 伏見の家
1F:110.77㎡ / 2F:110.77㎡
合計 221.54㎡ 67.02坪
京都・伏見の静かな住宅街に佇むこの住まいは、外と内のあいだにある“ひと呼吸のゆとり”をテーマに設計を行いました。
玄関を抜けると、視線の先に中庭の緑が広がり、柔らかな光がリビングへと差し込みます。吹き抜けの大空間は、時間帯によって陰影を変え、家族の暮らしに四季の移ろいを映し出します。
外のテラスとリビングを大開口でつなぐことで、内外が緩やかに溶け合う構成に。まるでホテルラウンジのような上質さと、日常の安らぎが共存する空間を目指しました。床材には重厚感のあるタイルを採用し、天井のウォルナットが落ち着きと温かみを与えます。
LDKは家族の気配を感じながらも、程よく距離を保てるようにデザインを行いました。キッチンから庭の緑を望み、光のグラデーションが食卓を包み込みます。夜は間接照明が穏やかに壁面を照らし、昼間とは異なる静寂の表情を見せます。
2階は家族それぞれの時間を過ごせるよう、ライブラリーやワークスペースを柔らかく区切りながら配置。ヘリンボーンの床が温かなリズムを生み、素材の重なりが豊かな奥行きを演出します。
和室や寝室は、余白を活かした静の空間。照明を極力抑え、陰翳の美しさを引き出すことで、心が自然と落ち着く居場所となりました。
現代的なエッセンスを取り入れたこの家は、光と素材、そして人の気配が調和する“静なる贅沢”の象徴です。




